ろまんちっくらぶ?

劇団競泳水着 十周年企画(1) 第18回公演

10th anniversary

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After EVENT

『Romantic Love?』各回、アフターイベントの詳細発表第一弾です!
豪華ゲストとのトークから、旗揚げ戯曲のリーディング、短編上演まで、
アフターイベントも含めて是非お楽しみ下さいませ。

●12月20日(金)19時半の回 終演後
ゲストートーク:中嶋康太(Mrs.fictions) さん

舞台芸術創造集団「Mrs.fictions」の作・演出および制作受付担当。
作家としては非常に寡作ながら、発表される作品は常に注目を浴びる。
台本が書きあがり幕が開くと、制作として受付を担当するが、誰よりも腰が低い。

上野は多くの演劇人と同じく、2010年に発表された短編『東京へつれてって』に衝撃を受け、 以来、同世代の作家として尊敬と嫉妬を抱き続けている。

誰にも真似できない巧みな台詞で笑いを巻き起こしながら、 気づけば観る者の心の一番奥深くまで到達する作劇術は、唯一無二。

今年上演された傑作『伯爵のおるすばん』は、今まで以上に多くの観客の心に響き、大きな話題となった。 上野は『Romantic Love?』執筆開始直前にこの作品を観劇し、泣きながら、 「物語に真摯に向き合うべき(向き合って良い)」 と強く思わされた。

※上記プロフィールは、上野が勝手に作成しました。

●12月21日(土)14時の回 終演後
旗揚げ公演『ビフォア・アフター・情事』戯曲リーディング

出演:上野友之、金子侑加、櫻井拓也、谷田部美咲(Tricobo)、堀越涼(花組芝居)、すがやかずみ(野鳩)、森谷ふみ(ニッポンの河川)

劇団競泳水着、十年前の旗揚げ公演『ビフォア・アフター・情事』戯曲のリーディングです。 主宰、上野も当時と同じ役で、また今回は制作担当の女優・金子侑加も、上野の相手役として出演します。 またこの日のステージゲスト、堀越涼氏も本編に続いて出演! 荒削り過ぎる処女戯曲を、豪華出演者を無駄遣いして十年ぶりに再現します。 アフターイベント中、最もゆるめです。 上演時間は一時間強を予定しております。

【もちあげ過ぎの戯曲紹介】

とあるラブホテルには、今日も様々なカップルがやってくる。

初体験を迎えるのび太としずか。
出逢い系サイトで知り合った若者二人。
夫にスワッピングを強要される人妻と、その相手となる青年。

そしてカップルたちが去った部屋を処理する掃除婦ハツコにも、胸を痛める愛の記憶があった……。

劇団競泳水着が旗揚げ当時に掲げた「エロサワ=さわやかなシモネタ」を詰め込みながら、
「愛」にも迫ろうとした意欲作。

十年の時を経て、今再び日の目を浴びる!

●12月21日(土)19時の回 終演後
ゲストートーク:二村ヒトシさん

1995年まで劇団を主宰後、1997年にAV監督としてデビュー。
『美しい痴女の接吻とセックス』『ふたなりレズビアン』『妹に犯されたい』『集団痴女』『すべての女性があなたより背が高い世界』『マ○コがマ○コに恋をする理由(わけ)』『女装美少年』などで、
女性が積極的なセックス、斬新なエロ演出、ジェンダーを超越する画期的な作品を数多く発表。

その一方で作家としても、1998年に『すべてはモテるためである』を発表。
単なるモテ本の域を遥かに超えた哲学書として、各回の著名人から絶賛される。
2012年に大幅加筆修正のうえ再出版された同書は、再び大きな話題を集めベストセラーに。
年月を経ても全く古びない内容に、ようやく世間が追いついた感が大きかった。
特に、2012年版で加筆された第5章は、愛の本質に深く迫った感動的な名文。

また、2011年に出版された『恋とセックスで幸せになる秘密』でも、恋に悩み傷つく女性の心を鷲掴みする名言を連発し、愛を説く名著として多くの読者の心を揺さぶる。

上野はこの二冊を、折り目をつけながら何度も読み返しては、心の傷を癒したり、受け売りの文章をドヤ顔で披露したりしてきた。(『すべモテ』が教科書指定されれば、秋葉原のような事件も、ストーカー殺人も起きない、というのが口癖。)

現在は四つのAVレーベルを主宰しながら、ソフト・オン・デマンド若手監督エロ演出指導顧問を務めるかたわら、恋愛についての聴き手・語り手として、多くのメディアから引っ張りだこの状況が続いている。

ちなみに上野は、今年4月、二村氏と湯山玲子氏によるトークショー「男女のモテと快楽について」を聴きに行き、 トーク中に女性客が投げかけた恋愛相談と、それに対するお二人の返答を聴いた瞬間に、 『Romantic Love?』の元ネタを思いついた。

愛のことなど何も知らない恋愛不適合者・上野が、愛のスペシャリスト・二村氏の胸をお借りしてトークを行います。

※上記プロフィールは、上野が勝手に作成しました。

●12月22日(日)14時の回 終演後
短編芝居『町でいちばんの』上演

脚本・演出:上野友之(劇団競泳水着)

出演:廣瀬瞬、レベッカ、折田侑駿、平井志乃、松本哲也(小松台東)

今年10月、小松台東による企画公演『短編30分×3』において上演された30分の短編を、
オリジナルキャストで1ステージだけ再演!

【作品紹介】

ど田舎(失礼)の小松台東町には、キャバクラが一軒しかない。
働いてるあの子は、中学の同級生。
店に集うのは、町を抜け出せない者、自由に移動する者、故郷を失った者、そして……。

人と、居場所と、愛、についての、不可思議で少し切ないストーリー。
短編でも良い仕事をしがちな上野友之の、新作30分。

●12月22日(日)19時の回 終演後
ゲストトーク:今泉力哉さん

映画監督。

映画館バイトなどをしながら自主映画を制作しつづけ、2008年『微温』が水戸短編映像祭グランプリ。2009年『最低』がTAMA NEW WAVEグランプリ。
2010年『たまの映画』で商業映画監督デビュー。
「名ばかりの」映画制作団体『コジカケーキフィルムズ』代表。

2012年の『こっぴどい猫』で大きな注目を集め、トランシルヴァニア国際映画祭最優秀監督賞を受賞。
今年公開の最新長編映画『サッドティー』は東京国際映画祭・日本映画スプラッシュ部門に正式招待され、公開後は連日満員の話題作となる。

恋愛を描き続ける「ダメ恋愛映画の旗手」として、更なる活躍が期待されている。

上野は今年、『サッドティー』を観て初めて今泉作品に触れ、その日の内に新宿TSUTAYAで借りられるすべての今泉作品をレンタル。
構成の妙、恋愛の切り取り方、小道具使いの絶妙さ、女優陣の魅力を最大限に引き出す演出など、すべてにおいて、 「自分がやりたいことを、自分より早く、ずっと上手くやっている人がいた」
と知る。

色白、細身、恋愛経験豊富でもないのに恋愛物語ばかりを創り続けているアラサー男、など共通点も多い上野&今泉氏の二人が、 『Romantic Love?』をめぐり、創作について語り合います。

※上記プロフィールは、上野が勝手に作成しました。

Drama REVIEW

『Romantic Love?』開幕に先駆けて、上野が信頼する方々に戯曲レビューをお願いいたしました。
到着順に、佐藤充さん、山内晶さん、梅舟惟永さんです。
観劇前のご参考にも、観劇後にゆっくりお読み頂くのにも、ご自由にお楽しみ下さい!

上野さんは「あたり前の感情」を書くのが上手い人だとずっと思っている。 取り扱う主題そのものは月曜の9時のテレビドラマくらいにシンプルでありふれているけれど、 「ありふれた脚本」では取りこぼされてしまうものを丁寧に掬い取る。

だから上野さんの舞台を見ると 「いっしょに食べるご飯がおいしい」とか 「ずっと一緒にいたい誰かがいる」とか 「誰かがいなくてさみしい」とか 「隣で眠る人のことがちっともわからない」とか そういう“よくある”感情のことを、自分は何もわかっていなかったのだと知らされ、 その痛みに驚き、甘さにうっとりすることになってしまう。

さて、今回の作品。

一対の男女が(あるいは今の時代、男男でも女女でもいいのだけれど) 純粋に想いあって結ばれる、なんて狭すぎて暴力的ですらある。 正直、Romantic Loveなんてダサい。(と思うけれど、どこかでは信じたい。)

恋人とご飯を食べながら誰かとのセックスのあれこれを思い描いたり、 嘘で相手を欺いておいて「自分がどうしたいのかわからない」とナイーブさに逃げ込んだり、 ままならない私たちはRomanticのロの字もない恋愛に振り回されている、 ・・・ようなフリをしながら、その面倒さを楽しんでいるし、それでいいのだと思う。

『Romantic Love?』は、そんな「ままならない恋愛をする私たち」のことを大きく肯定する。 が、そこで終わらないのが上野さんの作品の良さだ。

主人公とその周りの、非ロマンティックな恋愛であふれるストーリーの中を ひとすじ、ただ誰かを大切にしたい、という気持ちにだけ支えられた一対の関係が抜けていく。

ままならないのが私たちの人生だけれど、 その中には当の本人たちが気づかないだけで、 まっすぐで純粋なものだって流れているし、それは時々しずかに届いている。 そう思えたとしたら、この人生を生きる自信が、またひとつ、少しわいてくる。

私たちのままならない日々を肯定しながら、ひとつ上、純粋な希望を描いてみせる。 これだから上野さんの作品を観ることはやめられない。

Text by
佐藤充(マーケティングプランナー)

【佐藤充さん プロフィール(上野が勝手に作成)】
学生時代をオーケストラで打楽器に捧げた後、広告代理店にマーケティングプランナーとして勤務。 映画・小説・音楽・漫画、ジャンルを問わず芸術に造詣が深く、 特にイザベル・コイシェ、ジャック・オーディアール、スティーブン・ダルドリー、アン・リー、村上春樹、カズオ・イシグロ、矢野顕子、藤子・F・不二雄らを敬愛する。 上野とは高校の同級生で、十年ぶりに再会した2010年以降、上野作品をほぼ全て観劇。 上野にとっては、創作にいきづまった際の相談をしたり、作品を紹介して貰ったり、隠れたアドバイザーのような存在である。

人をニヤニヤさせることに関して、上野さんはプロフェッショナルで。
上野さんは持っている技術を駆使して(「Romantic Love?」ていうクソ恥ずかしいタイトルもその技術のうちの1つだと思う)、みんなを悶えさせる。
なんていうのか。「恥じらい」に訴えかけてくる。
だから、いつもニヤニヤしちゃうなあ。

で。「Romantic Love?」は。
まず。ロマンティックラブではないらしい。ロマンチックラブらしい(こういうところだよ。こういう「小外刈り」的な小さなこっぱずかしさでだんだんと、なしくずしに、恥ずかしい気持ちにさせるんですよ)
で。ロマンチックラブ。
5人の男女それぞれの感情を、エピソードをスライドさせたり、いったりきたりさせながら、主観的に描いていて。
ロマンチックすぎることはない。たゆたうみたいに、揺れている。
そうそう、チラシの女の子みたいな感じ。なに考えてんの?何も考えてないの?とこちらに伺わせる。

甘いだけではない。ざらついた気持ちにもさせられる。
殺伐とした記憶。劣等感。突発的な不幸。漠然とした不安。
ちょこちょこ描かれている。
なんというか。そういう時はある。
「どうしていつも私は誰にも選ばれないのだろう」とか、「お前に何が分かる、あっちいけ」とか自分の不幸を叩き売り。自分かわいそう、って顔に貼ってあるみたいに。
でもここで面白いのは。
私は女の作家なので、そういう感情は大抵、女の登場人物に持たせるのですが。
でも上野さんは男に持たせるぅ、とか思い、笑った。
異性に持たせるには申し訳ない感情、なのかもしれない。
もしくは、「女の子(男の子)がこんな気持ち悪い感情持っているはずがない!」と幻想を抱いている、か。
あ。思い出した。男目線を体験できるのも上野作品の大きな魅力の1つだと思う。
純粋な「女の子が大好き」という目線とほんの少しの偏見(この作品の女の子は24時間ちゃんと女の子でえらいなあと思う)
ごくリアルな瞬間と、トレンディな虚構を織り交ぜていて。
現実と男の幻想を行き来させられる。
そこがいい。観ていて面白い。

で。
小ネタがむかつくー。こっぱずかしくて。
こんなことで笑ってたまるか!と堪えて堪えて堪えて、最後には情けない声を出して笑ってしまう。
特に知識ひけらかし系の小ネタが、また、もう(悪口ではないんですよ)
ちきしょー、といつも笑ったあとに悔しい思いをさせられる。
そのタイミングでその懐かしいワードを差し込んできやがって。わざとだな。と。
そんなこともニヤニヤと眺めているのだ上野さんという人は。と。

そんな感じ。
芝居に立ち上げるときっともっと面白いと思う。俳優さんが、自分の魅力を発揮できる台本だと思うから。そういう、俳優さんのための余白が台本にちゃんとあるから。
そんな、ロマンチックラブ(すごいよなあ。このタイトル。はずかしい。よく浮かびましたよね)
私はちょいちょい混ぜてくる美大あるあると、ふと訪れる恋愛ゲーム的展開がおすすめ。
最高の「恥じらい」を提供してくれます。きっと。

Text by
山内晶(AnK主宰)

【山内晶さん プロフィール(上野が勝手に作成)】
日本大学芸術学部在学中に演劇ユニット「AnK」を旗揚げ。
以降、全作品で作・演出を務める。
上野には、2010年に俳優(上野)と演出助手(山内)として出会って以降、何度も手を焼かされている。
しまいには今年、うっかり上野に出演オファーをしたばかりに、AnK始まって以来の危機に遭遇。
類稀なポップセンスと自意識とのバランス、あらゆる芸術から消費文化までを網羅する引き出しを武器に、
アラウンド25歳の作家・演出家の中でも飛び抜けた才能と可能性を持つ一人。

わたしの思う上野さんの作品の魅力は、
女の子がかわいいところです。
いじわるな女の子は出てこない。
みんな愛らしくて、生きることに真摯です。
今回の作品の女の子たちもみんなそうです。
そんな女の子たちに幸せになって欲しいと、わたしは願わざるを得ないのです。
彼女たちが何を見て、何を感じ、何を選ぶのか、劇場で観るのが楽しみです。

Text by
梅舟惟永(女優)

【梅舟惟永さん プロフィール(上野が勝手に作成)】
演劇ユニット「ろりえ」所属の女優。
2007年、初めての外部出演として劇団競泳水着「なだれる」に出演以降、上野の脚本・演出作品には計五本に出演する。
2008年の劇団競泳水着「真剣恋愛」においては佐藤佐吉賞・最優秀助演女優賞を受賞。
近年は、演劇にとどまらず映像作品においても活躍中。
「今の梅舟があるのは俺のおかげ」と言い続ける上野とは、バイオリン小芝居ユニット「梅之」も組む(活動したのは一度だけ)。
今後、更なる活躍が期待される女優の一人。

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